カギが開かない

 先日の夜、馨が寝室のカギを内側から閉めてしまい,開けられなくなって大騒ぎになりました。

 発端はつまらないことで、
今うちでは電動歯ブラシがブームで(といっても私はちょっと苦手なのですが)、
子供たちもそれぞれ自分の替えブラシを持ってるんです。
それを馨がゆりちゃんと取り合いになり,
取られた馨が怒って寝室に閉じこもり,さらにカギをかけてしまったんです。
そのカギというのが,ドアに取り付けられているタイプではなく,
ドアに鍵穴があり,そこに差し込んでまわすタイプの昔からあるようなカギだったんです
。うちは親の寝室に子供がみんな集合して川の字になって寝ているのですが,
子供が先に起きて部屋の外に行き,階段から落ちてしまわないようにと,
私たちが渡欧してからダンナがそのカギを出してきたんです。
そのカギが鍵穴にさしっぱなしだったのが裏目に出ました。

 最初はこちらの呼びかけに応じて馨もカギを回そうと努力していたのですが,
やはりうまくいかず、あかないことが分かると今度はパニック状態に。
何を話しかけても泣き叫ぶばかりとなりました。
私は子供を次々とお風呂に入れている最中で,
最後にらんちゃんを入れ終わって出してきたところでした。
着替えは全て寝室の中。
らんちゃんはちょっと風邪気味だったのでどうしようかと思いましたが,
他の着替えがあったのでとりあえずそれですみました。
ダンナは外側からカギを開けようとしましたが,
こんな古くさいタイプのカギのくせにけっこう頑丈なんです。
今「ピッキング」って日本でよく言われていますが,
意外とこんな昔ながらのカギのほうが開けにくいのかも,と漠然と思って見ていました。

 ドアの上に少しスペースがあり,吹き抜けなのかと思ったのですが,
よく見たらガラスがはまっていました。
カギが開かないので次はどうしたか。
そのガラスを割ってそこから寝室の中に入ることを考えますよね。
やりました。馨をドアから離れさせ,ダンナがガラスを割りました。
ガラスは強化ガラスだったのか,単に厚いガラスだったのかよく分かりませんが,
細かくならず,大きいピースに取れたのであまり危ないことにはなりませんでした。

 しかし、人が通るにはじゅうぶんと思われたそのスペースも,やっぱりドアの上という高さ,
通るのはいいけれど,降りるのが難しい、
また仮に寝室内には入れてもカギを壊しかけてしまったので開くか分からないということで,
ダンナが何度もトライしましたが断念。
その頃にはゆりちゃんはすっかり眠くなってしまったので,リビングのソファに寝かせ,
らんちゃんにはおっぱいをあげていました。
らんちゃんも寝てとんとんとしていた頃,ダンナが「開いたよ」と言ってリビングに降りてきました。
けっきょくカギを壊してこじ開けたのでした。
馨はベッドの上で寝てしまっていました。

 これで馨が閉所恐怖症になったりして,と言っていたのですが、
夜中にうなされることもなく、いつもどおりの朝を迎えたのでした。
きっと全然懲りてない。
ドアを壊してしまって人事に怒られるかも、とダンナは心配していました(一応社宅だから)が,
会社が直してくれるそうで,これも一件落着。
しかし、馨には本当にやられました。男の子ってこんなもんですか?