コンセルトヘボウ

オランダに来てから2回、ロイヤルコンセルトヘボウ
(アムステルダムコンセルトヘボウから名前を変えたらしい)を
聴きに行く機会に恵まれました。
大変有名なオーケストラで、
来日公演だってなかなか高くて手が出ません。
しかし、こちらでは85ギルダー(約4200円くらい)です。
一度目はマゼール指揮でリヒャルトのシンフォニアドメスティカ、
二度目はハイティンク指揮でベト7がメインでした。
こんなの日本で聴いたら20000円くらいするよなあ。

演奏が始まるのはたいてい夜の8時15分。
仕事帰りに来ても余裕がありますね。
コンセルトヘボウの大ホールは、シューボックスタイプというのか、
箱型のホールですが、舞台の後ろにも客席があり、
さらに面白いのは、指揮者やソリストは舞台後ろから登場することです。
普通は舞台そでから登場するのですが、
いきなり自分の横を通って指揮者が現れたらびっくりするでしょう。

こちらの聴衆は非常に情熱的で、すぐにスタンディングオベーションです。
ヨーロッパの人たちは耳が肥えていて、
ちょっとやそっとじゃ誉めないと思っていたので意外でした。
しかし、先日の演奏の中プロ。悪くはない演奏でしたが、
「そんなに立ってほめたたえるほどいい出来だったか?」と思う程度。
ところが、指揮者が引っ込んだとたん、いっせいにカフェに突進!
並ばないと買えないんです。
みんな早く買いたくて立っていたんだなと思いました。

聴衆はお年を召した方がすごく多いです。
おそらくもう退職しているんだろうなという感じ。
でもきっとずっと昔から聴いていて、耳が肥えているんだろうなあ。
苦虫をかみつぶしたようなお婆さんが
演奏中時折隣に座っているお爺さん(ご主人)となにやらささやき合っている。
「こりゃいかんねー」なんて言っているのかな?なんて思います。

演奏の最後にはお決まりの花束が指揮者とコンマスに渡されるのですが、
持ってくるのがかわいい女の子ではなくて、いかついおじさん、
しかも絶対ホールの関係者と思われる人。
無造作に持ってきてポイッと渡す。だったら渡さなくても…ねえ。

三回くらい拍手に答えた後はさっさと控え室に帰ってしまいます。
それに伴い聴衆もどっと帰ります。
ホールに駐車場はなく、近くの公営の駐車場は帰りは人でごった返します。
今夜の余韻に浸りながら…。いい生活ですねえ。